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院長の生活習慣病コラム

  • 院長の生活習慣病コラム
    2026/03/17

    血圧が高い人が“絶対にやってはいけない習慣7選”

    「血圧が高いですね」と言われたものの、
    特に症状もなく、ついそのままにしていませんか?

    薬はまだ飲みたくない

    生活改善と言われても何をすればいいかわからない

    とりあえず様子見でいいのでは…

    実際、このように感じている方は少なくありません。

    しかし高血圧は、自覚症状がないまま確実に血管を傷つけ、心筋梗塞や脳梗塞のリスクを高めていく病気です。
    そして臨床の現場で強く感じるのは、

    👉「やっている“つもり”の生活習慣が、実は逆効果になっているケースが非常に多い」

    という事実です。

    例えば、
    減塩しているつもりでも実際には塩分過多だったり、
    運動がかえって血圧を上げていたり、
    薬を自己判断で中断してしまったり。

    こうした“ちょっとした習慣”の積み重ねが、
    数年後の大きな病気につながります。

    本記事では、循環器専門医の視点から
    👉 血圧が高い方が絶対に避けるべき習慣を、病態レベルで具体的に解説します。

    「何となく不安」から
    👉「何をすればいいか明確にわかる状態」へ

    その一歩として、ぜひ最後までご覧ください。

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    なぜ高血圧は「静かに進む危険な病気」なのか

    高血圧の本質は、「単なる数値の異常」ではありません。
    問題は、持続的な血管内皮障害と動脈硬化の進行です。

    血圧が高い状態では、血管内皮に対して長い時間血管へのストレス(shear stress)がかかり、

    一酸化窒素(NO)産生低下

    酸化ストレス増加

    炎症性サイトカイン上昇

    が生じます。

    この結果として、

    LDLの血管壁への侵入

    マクロファージの泡沫化

    プラーク形成

    が進行し、最終的にプラーク破綻 → 血栓形成 → 心筋梗塞・脳梗塞へと至ります。
    上記は難しい機序ですが、血圧が高い状態が持続すると血管壁はストレスをうけて、炎症も伴い劣化していくということです。
    実際にメタ解析(Ettehad D, Lancet 2016)では、
    収縮期血圧が10mmHg上昇するごとに、主要心血管イベントリスクは約20%増加することが示されています。

    つまり高血圧とは
    👉「症状が出る前から血管イベントの土台を作り続けている状態」
    です。

    血圧が高い人が“絶対にやってはいけない習慣7選(病態ベースで解説)

    ❌① 「隠れ塩分」を無視する(ナトリウム過剰)

    ナトリウム(≒塩分)過剰は、

    体液量増加(循環血液量↑)

    血管収縮(RAA系活性化)
    を通じて血圧を上昇させます。

    特に日本人は塩分感受性が高い体質であり、同じ塩分量でも血圧上昇が強く出ます。

    さらに問題なのは
    👉 “見えない塩分”です

    ラーメンのスープ:6〜8g

    コンビニ弁当:4〜6g

    漬物・加工肉

    減塩指導で重要なのは
    👉「調味料」ではなく「食品構造の見直し」です。

    ❌② 家庭血圧を測らない(リスク評価の誤認)

    診察室血圧はあくまで“スナップショット”です。

    一方で家庭血圧は
    👉 日常環境での血圧負荷(=真のリスク)を反映します

    特に重要なのは:

    早朝高血圧(morning surge)
    → 交感神経・RAA系活性のピーク
    → 心筋梗塞・脳卒中の発症時間帯と一致

    仮面高血圧
    → 外来正常でも実生活では高血圧

    家庭血圧の方が
    👉 心血管イベント予測能が高い(JSH2019)

    ❌③ 睡眠障害を放置する(交感神経過活動)

    睡眠不足や睡眠時無呼吸症候群(OSA)は
    難治性高血圧の主要因です。

    病態としては:

    低酸素 → 交感神経活性↑

    夜間血圧非低下(non-dipper)

    血管内皮機能低下

    特にOSAでは
    👉 降圧薬が効きにくい“治療抵抗性高血圧”の原因になります

    ❌④ 「やらない」or「やりすぎ」の運動

    運動不足は当然ながら

    インスリン抵抗性↑

    交感神経優位

    内皮機能低下

    を通じて血圧上昇に寄与します。

    一方で注意したいのは
    👉 急激な高強度運動

    特に未治療高血圧では

    血圧急上昇

    心血管イベント誘発

    のリスクがあります。

    推奨は
    👉 中等度有酸素運動(週150分以上)

    ❌⑤ アルコール過剰(慢性的血圧上昇因子)

    アルコールは一時的に血管拡張しますが、
    慢性的には

    交感神経活性↑

    コルチゾール上昇

    血管収縮

    により血圧を上昇させます。

    エビデンス的にも
    👉 飲酒量と血圧は“用量依存的に上昇”します

    ❌⑥ ストレス放置(交感神経・HPA軸の問題)

    慢性ストレスは

    交感神経持続活性

    コルチゾール分泌

    睡眠障害

    を通じて、持続的な血圧上昇状態を作ります。

    これは単なる“気持ちの問題”ではなく
    👉 明確な生理学的負荷です

    ❌⑦ 自己判断での服薬中断(リバウンド高血圧)

    降圧薬中断で問題になるのは

    血圧上昇だけではなく
    👉 血圧変動性(BP variability)の増大

    これが

    脳卒中

    心血管イベント

    の独立したリスクになります。

    特に

    β遮断薬

    クロニジンといった薬は特にリバウンド現象が顕著です。

    上記をまとめると食事・睡眠・運動の偏りとストレス、飲酒が血圧には悪影響を強く与えるということです。

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    「薬を飲めばOK」はなぜ危険な考えか

    降圧薬は確かに有効であり、
    収縮期血圧10mmHg低下で心血管リスク約20%低下します。

    しかし実臨床では

    塩分過多

    肥満

    睡眠障害

    がある患者では
    👉 “薬を増やしても下がらない”

    というケースが多いです。薬剤抵抗性などと医療現場では称します。

    これは
    👉 上記の生活習慣含めた病態の上流を放置しているためです。

    本質は

    血管

    自律神経

    代謝

    の統合管理が重要ですので、薬を飲みながらも生活リズムや考え方も修正していく必要があるのです。

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    当院の考え方(循環器内科専門医として)

    高血圧管理は
    👉「血圧を下げる治療」ではなく
    👉「血管イベントを防ぐ戦略」です

    当院では

    家庭血圧の徹底評価とフォロー

    早朝高血圧の検出

    動脈硬化リスク(糖尿病や脂質、尿酸値など)の統合管理

    を行い、

    必要に応じて

    降圧薬の最適化(ARB/CCB/利尿薬など)

    生活習慣の具体的介入

    を組み合わせます。

    重要なのは
    👉「続けられること」と「再現性」

    過度な制限ではなく
    現実的に継続可能な介入を重視しています。

    ❓Q&A(臨床現場ベース)
    Q. 家庭血圧はいつ測るのが正しいですか?

    A. 起床後1時間以内・排尿後・朝食前・服薬前、就寝前の2回が推奨です。

    Q. どの時点で薬を開始すべきですか?

    A. 原則140/90以上ですが、糖尿病・腎臓病・心血管疾患がある場合は130/80未満を目標とします。

    Q. 血圧はどこまで下げればいいですか?

    A. 一般には

    診察室:130/80未満

    家庭血圧:125/75未満
    を目標とします(患者背景により調整)

    Q. 減塩はどこまで必要ですか?

    A. 目標は6g未満ですが、まずは8g→6gへ段階的に下げることが現実的です。

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    参考文献

    日本高血圧学会 高血圧治療ガイドライン2019

    Ettehad D et al. Lancet. 2016

    Whelton PK et al. Hypertension. 2018

    このコラムの執筆者

    院長画像

    院長:茂澤 幸右
    糖尿病学会所属・循環器内科専門医
    日本医科大学付属病院 循環器内科 非常勤講師


    循環器内科専門医として、糖尿病・高血圧・脂質異常症などの生活習慣病診療に従事。
    血糖や血圧の管理だけでなく、将来の心筋梗塞や心不全を防ぐ視点を大切に、
    日々の外来で患者さんと向き合っています。
    このコラムでは、健診結果の見方や最新の医療情報などを、
    外来で実際にお話ししている言葉で分かりやすく解説しています。

    【経歴】
    日本医科大学医学部 卒業
    日本医科大学大学院医学研究科(循環器内科学)修了

    【資格】
    医学博士
    循環器内科専門医
    内科認定医

    【所属学会】
    日本内科学会
    日本循環器学会
    日本心臓病学会
    日本糖尿病学会
    医師イラスト
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