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    2025/07/10

    怒りと痛みの関係

    東京都荒川区・台東区の皆様,こんにちは.
    茂澤メディカルクリニック リハビリテーション科 作業療法士の伊藤です.

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    前回の私のブログ「ストレスと痛みの関係」に引き続き今回は怒りと痛みの関係についてです.
    ちょっとしたイライラから猛烈な激怒まで私たちは日常で様々な怒りの感情を経験します.怒りは心拍数の増加や血圧の上昇,アドレナリンの放出などを引き起こし,身体が硬くなったり顔が赤くなったり,私たちが実際に感じる変化も引き起こします.
    慢性的な痛みを抱える人は,実際に怒っているときに痛みが強くなるのを感じたことがあるかもしれません.これにはいくつか理由があって,怒りが筋緊張を強めることにより痛みを憎悪させてしまうこと,怒りが痛みを脳に伝えやすくしてしまうことが考えられます.
    痛いからイライラ怒りやすくなるのか,怒るから痛くなるのか,どちらが先とも言えなそうですが,怒りを自分でコントロールする必要がありそうです.
    以下は自分の怒りを管理するための3つのステップです.
    1.気づきを身につける
    ①あなたの怒りの引き金は何でしょうか?何らかの言葉,音でしょうか.または一般的な不満や失望,不公平に扱われている感覚かもしれません.
    ②あなたの怒り始めている兆候として感じられる生理的な変化は何でしょうか?心拍数が上がったり,歯を食いしばったり,顔が赤くなったりしているかもしれません.
    ③あなたは怒ったときどんな行動をとりますか?行ったり来たりする,身体が硬直する,声が大きくなるなど怒ったときのあなたの振る舞いにより怒りが鎮まるのか,さらに興奮させるのか観察してみましょう.
    2.反応を修正する
    ①自分が怒り始めたと感じたら腹式呼吸などで怒りによる生理的変化を鎮静します.
    ②自分の認知を再確認してみましょう.私たちは相手の考えや感じていることを誤って認知して怒りを生じさせていることがあります.しかし実際には相手の心を読むことなどできないのです.歪んだ思い込みはありませんか?
    3.怒りを上手に伝える
    相手を責めるのではなく自分の怒りは自分のものとして対処します.自分が何に怒っているのか相手に素直に伝えましょう.怒りの背後にある感情や自分が相手に求めていることを明確にして相手への要望,提案,お願いとして伝えます.
    一朝一夕に身につくものではありませんが,痛みにコントロールされるのではなく痛みをコントロールして快適な日常生活をおくりましょう.
    腰,肩,膝の慢性的な痛みでお困りでしたら当院へご相談ください.

    リハビリテーション科
    作業療法士 伊藤
    監修 茂澤健一 (茂澤メディカルクリニック院長)